今回のレビューは、

バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト


バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト (ShoPro books)
ブライアン・オーガスティン
2022-08-25


について。

本書は、標題になっている
「ゴッサム・バイ・ガスライト」
その直接の続編となる
「マスター・オブ・ザ・フューチャー」
の2篇が収録されています。

それではあらすじ。

【あらすじ】
ゴッサム・バイ・ガスライト
 19世紀末、ロンドン発アメリカ行きの船の中。ブルース・ウェインは15年間の修練の成果を発揮できる機会を得たと密かに興奮を覚えていた。その頃、ロンドンのホワイトチャペルの悪魔"切り裂きジャック"と酷似した犯行を重ねる連続殺人鬼がゴッサムシティに現れる。ブルース・ウェインはコウモリのスーツに身を包み事件の解明に乗り出すが…。

マスター・オブ・ザ・フューチャー
 ゴッサムシティで起こった"切り裂きジャック"事件の真相を突き止めたバットマンことブルース・ウェインは、事件の終息とともに燃え尽きもはやその存在理由に疑念を覚え身を退いていた。その頃、ゴッサムシティで行われる博覧会を狙うルロワの魔の手が忍び寄り…。


今回も非常に面白かった!

19世紀末を舞台にしているだけあって、精神分析でお馴染みのあのフロイト大先生とブルース・ウェインの絡みが見られたり、姿こそ見えませんがロンドンの探偵業と言ったらのあの人も会話の中で登場したりします。

時代背景もあって、スチームパンクな雰囲気で描かれているためかSF心をくすぐられますね。特にルロワが乗っている飛行船なんてまさしくスチームパンクといった感じでした。ルロワに関してはなんともステレオタイプな当時のフランス将軍といった感じだったのも面白かったですね、ああいう人いそうっていう見た目で。彼がやったことに関しては常軌を逸してはいましたが、なんだか憎めないヴィランでした。



そんな本書ですが、バットマンがもし19世紀末にいたら?を題材とした本作群は、もちろんエルスワールド(Ifのパラレルワールドがテーマのレーベル)ものであるため、独立した作品としても読むことができます。普段とひと味もふた味も違うバットマンを見てみたいんだという方には特におすすめ!

また、解説小冊子を読む限りこのガスライト版バットマンは度々マルチバースもので姿を見せたりすることもあるようです。この世界のバットスーツのカッコよさと言ったらもう!襟立てトレンチコート風のマントを付け、レザー製と思しきマスクを被り、というスマートな紳士(?)風の出で立ちは、もはや、芸術的とも言える。

マイク・ミニョーラの画風もこの世界観や雰囲気としっかりマッチしていて良かったですね。読み終わったあとは映画を一本見終わったような気分に浸れました。

絵も内容も個人的には大満足でし!これもぜひ機会があったら読んでみてほしい一作です。



ちなみに、余談ですが、OVAもあるようです↓。





これも気になるから買って見てみようかな(⁠@⁠_⁠@⁠)どうなんですかね?機会があればかな?



なお、マイク・ミニョーラと言えば、彼が手掛けた『バットマン:ゴッサムに到る運命』↓も今月邦訳が出ています。もちろんゲットしているのでこちらも読了後にレビューをしたいと思います。



それではまた!